スカーレット・ウィッチとは アメコミ原作設定・解説
スカーレット・ウィッチ(ワンダ・マキシモフ)の原作コミックスの設定やストーリーを解説します。
【初登場】
「The X-MEN #4」(1964年4月)
初登場は「X-MEN」の4巻です。
【本名】
ワンダ・マキシモフ
【ステータス】
- 耐久性:2
- エネルギー:6
- ファイティングスキル:3
- 知能:3
- 速度:2
- 力:2 ※MAX 7 での評価(米marvel公式より)
【能力】
ワンダ・マキシモフ(スカーレット・ウィッチ)の能力は一般的な魔法から確率操作、それをさらに発展させた現実改変能力まで多岐に渡ります。
その潜在的魔力はマーベルコミックスの中でも群を抜いており、最強の魔女と言っていい存在です。
・確率(因果律)操作
その名の通り「物事の起きる確率を操作する能力」
通称「ヘックス・パワー」と呼ばれる。
相手に起こる事象を変化させたり悪いことが起こる確率を上げることで、対象のターゲットに不幸をもたらすという能力である。
しかしワンダの精神状態に影響を受けることが多く、初期では安定しておらず100パーセント成功する能力ではなかった。
・魔法(ケイオスマジック)
魔女アガサ・ハークネスに弟子入りしたワンダはヘックスパワーのコントロール能力とともにドクターストレンジのような魔法も使用可能となる。
彼女のエネルギーは赤い光で表現され、その力で空中を浮遊したり、物質を持ち上げたり、またエネルギー自体を飛ばして攻撃することも可能である。
カオスマジックともいう。
・現実改変
スカーレット・ウィッチはヘックスパワーをより完璧にコントロールするために本物の魔女である「アガサ・ハークネス」に弟子入りする。
極限までパワーアップしたヘックス・パワーは現実をワンダの思い通りに変えることのできる恐るべき能力、「現実改変能力」へと進化する。
この「現実改変能力」のおかげで度々マーベルの世界は大厄災に見舞われることとなる。
【ストーリー:原作コミックス】
ワンダ・マキシモフの原作ストーリーを簡単に解説します。
・オリジン
スカーレットウィッチことワンダ・マキシモフは磁力を操る最強のミュータントである「マグニートー」とその妻マグダの間に生まれた。
ワンダ・マキシモフには双子の弟として「クイックシルバー」であるピエトロ・マキシモフがいる。
生まれてすぐに「スパイダーウーマン」や「ビースト」を誕生させた天才生物遺伝学者である「ハイ・エボリューショナリー」に誘拐され、彼によって改造された結果能力を発現する。
ハイ・エボリューショナリーはジャンゴとマーリャ・マキシモフ夫妻にワンダとピエトロの双子を預ける。
しかしミュータントであるワンダ達は迫害を受け暴徒化した市民により山火事が起きマキシモフ夫妻は死亡する。
その後ワンダとピエトロは実の父親である「マグニートー」によって保護される。この時は2人はもちろんマグニートー自身も血縁関係を知らなかった。
・初登場はヴィラン
初登場したのは1964年のX-MEN第4号である。
登場当初は弟のクイックシルバーとともにマグニートー率いる「ブラザーフッド・オブ・イビル・ミュータンツ」というヴィランチームの一員として登場し、幾度となくX-MENと戦うこととなる。
しかし、マグニートーが拉致される事件が起きたのち、ブラザーフッドは崩壊する。
・アベンジャーズ加入
次に登場したのは1年後の「アベンジャーズ誌:16号」。
アイアンマンによってスーパーヒーローチーム『アベンジャーズ』のメンバーとなったスカーレット・ウィッチとクイックシルバーはリーダーのキャプテン・アメリカ、メンバーのホークアイと共に「アベンジャーズ第2世代」を担うこととなる。
ホークアイと親密な関係になったスカーレットウィッチは彼と付き合うが、マグニートー戦においてホークアイの誤射により負傷しこれがきっかけで別れてしまう。
・ヴィジョンとの出会い
スカーレット・ウィッチはヘックスパワーをより完璧にコントロールするために本物の魔女であるアガサ・ハークネスに弟子入り彼女の能力「ヘックス・パワー」をよりパワーアップさせる。
その後、スカーレットウィッチはアンドロイドである「ヴィジョン」と恋に落ち結婚することとなる。
アンドロイドであるヴィジョンとの間に子供を作ることができないことに悩むワンダは強化されたヘックス・パワーを使用し双子の子供を妊娠する。
またワンダの能力は実はハイ・エボリューショナリーの改造ではなくワンダ自身の潜在的なものに加えクトーンという悪魔の祝福が影響していることがわかる。
ワンダゴア山の地下に封印されていたクトーンは赤子であったワンダ・マキシモフ(スカーレット・ウィッチ)の潜在能力に気づき、いつか自らが地球で活動するときの「器」として利用するために自らの力の一部を分け与えていたのだった(のちにクトーンに憑依されたワンダとアベンジャーズは戦うことになる)。
・現実改変/アベンジャーズディスアッセンブルド
その後、ヴィジョンが破壊され復活するも人格がなくなっており、それが原因で離婚することとなる。
また双子の子供も実はメフィストという悪魔の魂が宿ったもので、メフィストの部下であるマスター・パンデモニウムに回収されてしまい、この世から消滅…ワンダの精神は徐々に病んでいく。
不幸が重なったワンダは全てアベンジャーズに責任があると思い「現実改変能力」を発現させ、そのことが原因でアベンジャーズメンバーに様々な不幸が起き、数名のメンバーも死亡(スコット・ラング、ホークアイ、ヴィジョンが死亡)、クリー人との大きな戦いまでも起きた(ワンダが自分の不幸はアベンジャーズのせいだと思っていたため)。
原因がワンダの起こした「現実改変」だとわかり、ドクターストレンジによってワンダは気絶させられ事態は収束するが、この時すでに甚大な被害が出ており「アベンジャーズは解散」してしまう。(この話は【アベンジャーズディスアッセンブルド】に掲載)
またこの事件の前にワンダによって殺害されたアガサ・ハークネスの死体をニック・フューリーが発見する。
※こちらの事件はこの書籍で読むことができます。
※こちらの事件はこの書籍で読むことができます。
翻訳本:アベンジャーズ:ディスアセンブルド (MARVEL)(Amazon)
・House of M
この事件により危険視されたワンダは身を守るためにさらなる「現実改変」を起こす。
この現実改変でワンダはミュータントと人類の立場を逆転させ、「ミュータントが支配者」・「人類が差別対象」という世界へと変えてしまう。支配者はもちろん父であるマグニートーである。
しかし、この現実改変は実はワンダの意思ではなく弟であるクイックシルバーが「全ての人が望みを叶える世界を作る」とワンダをそそのかし、「現実改変能力」を使わせたためだとわかる。
この事実を知った父マグニートーは怒り、クイックシルバーを殺害する。
このことでワンダはさらに絶望し、「No more mutant(ミュータントなど消えてしまえ)」とつぶやき、これが引き金で3度目の「現実改変」が起きてしまう。
これにより全世界のミュータントの数は激減し、最初の現実改変で死んだホークアイなども生き返る(この話は【House of M】に掲載)。
この運命の日は「M-Day」と呼ばれる。
※こちらの事件はこの書籍で読むことができます。
翻訳本:X─MEN/アベンジャーズ ハウス・オブ・M(Amazon)
・チルドレンクルセイド
一連の騒動で疲弊したワンダは自らの記憶を消し山奥に逃げ込み、世間から距離を置く。
7年後に記憶をなくした彼女は「ドクター・ドゥーム」と婚約していた。
その後ワンダは記憶を取り戻し、自分の起こした過ちへの後悔から再び暴走を図るが、彼女の子供の生まれ変わりである「ウィッカン」が父親マグニートーと弟ビリーが生きていること、自分がワンダの息子の生まれ変わりであること告げワンダの暴走を食い止める。
ワンダは自分のせいでパワーを失ったミュータントたちを元に戻すためにドクター・ドゥームに助けを求めるがドゥームは彼女の「現実改変能力」を奪い取る。
新たな力(神に匹敵する)を得たドクター・ドゥームだが、まだ力を使いこなせずにアベンジャーズとヤングアベンジャーズ、X-MENにより倒され逃亡する(この話は【チルドレンクルセイド】に掲載)。
その後ワンダは自らを悔い改めるため「アベンジャーズ」を脱退し一人旅に出るが、世界を巻き込む巨大な災厄「フェニックス・フォース」が再び地球に接近していることが判明し再び「アベンジャーズ」としてこの危機に挑む。
・Avengers vs. X-Men (AvsX)
「フェニックス・フォース」の影響を受けたX-MENとアベンジャーズは戦いを繰り広げ、最終的にワンダの「No more Phoenix(フェニックスなどいらない)」の言葉により4度目の「現実改変」が起きフェニックスの力は世界中に拡散して消滅した。
代わりに新たなミュータントが発生しはじめ、「No more mutant(ミュータントなど消えてしまえ)」とワンダが言い放ったことで始まったミュータントの危機は去った(この話は【Avengers vs. X-Men (AvsX) 】に掲載)。
※こちらの事件はこの書籍で読むことができます。
翻訳本:AVX:アベンジャーズ VS X-MEN ROUND2(Amazon)
・その後のシリーズ
その後のアベンジャーズシリーズでワンダは「衝撃的な真実」を知る。
『マグニートが実の父親ではないこと』
『本物の母親が別に存在するということ』
現在、ワンダの本当の母は魔女『ナタリア・マキシモフ』であることがわかっていますが、本当の父親は不明です。
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