【バロン・ジモとは アメコミ原作設定・解説】
マーベルコミックスにおけるバロン・ジモは2人存在します。
一人目はバロン家代12代男爵である「ハインリッヒ・ジモ」
二人目はハインリッヒの息子であり13代目バロン家男爵である「ヘルムート・ジモ」です。
2人とも「バロン・ジモ」を名乗り主にヴィランとして登場します。
■初代:バロン・ジモ(ハインリッヒ・ジモ)を解説
キャプテン・アメリカの宿敵として登場した初代バロン・ジモであるハインリッヒ・ジモについて解説します。
【初登場】
Avengers#6(1964年7月)
初登場は2号前の『アベンジャーズ』4巻でしたが、その時は影のみで本体と名前が初公開されたのは1964年の『アベンジャーズ』6巻になります。
【本名】
本名:ハインリッヒ・ジモ(ジモ一族の12代目)
【身体情報】
- 性別:男性
- 瞳:青、グレー(アーティストによって異なる)
- 身長:175cm
- 体重:81.5kg
- 髪色:ブラック、ブラウン、グレー(アーティストによって異なる)
【ステータス/強さ】
- 耐久性:2
- エネルギー:3
- ファイティングスキル:4
- 知能:5
- 速度:2
- 力:2
- ※MAX 7 での評価(米marvel公式HPより)
【能力】
ハインリッヒ・ジモは武術に秀で、さらに優秀な科学者でもあり多くの兵器を開発した。
知性が高く、戦略家としても優れている。
・身体能力
肉体は鍛えた人間レベル。
剣術と武術をマスターしている。
・長寿
特殊なコンパウンドX血清というもので若さを保ち続けている。
・戦略家
ハインリッヒ・ジモの恐ろしさはそのパワーではなく、類まれな知性による戦略術だ。
軍人としてドイツのために2つの戦争で活躍した。
罠を仕掛けて相手を陥れることも得意である。
原作ではあのキャプテン・アメリカを北極の水中に氷漬けにしたのもこのハインリッヒ・ジモである。
・科学の天才
ハインリッヒ・ジモはドイツのナチスで科学医療研究の責任者でもあった。
彼はそこで数々の殺戮兵器を開発した。
主な発明品として、「ディスインテグレーター(分解)光線銃」「小型の分解光線ピストル」「フォーミュラーX(催眠光線)」、そして決して剥がすことのできない「接着剤X」がある。
しかし、この「接着剤X」を自ら浴びてしまい顔の頭巾が取れなくなった…
口から食事が取れないため点滴で血管から直接栄養を取り込んでいる。
また遺伝子操作やアンドロイド作成の分野でも秀でており、ワンダーマンという超人を作り出した。
・ヘッドバンド
ジモが頭につけているヘッドバンドはテレパシー攻撃を防ぎ、彼の発明品の一部を精神的に操作できる。
【ストーリー:原作コミックス】
原作の初代バロン・ジモ「ハインリッヒ・ジモ」のオリジンやストーリーについて解説します。
優秀なのにちょっとドジっ子なジモは愛されるキャラクターです(個人的感想)
・オリジン
1900年に生まれたハインリッヒ・ジモは、1840年に先代のハルビン・ジモが創設したジモ男爵領にある城塞で軍人の一門として育つ。
若き頃は、科学の最高の教育を受けて育った。
一族の伝統を受け継ぎながら第12代ジモ男爵(バロン・ジモ)となったハインリッヒは科学研究責任者としてナチスのために働いた。
その際、彼はヒルダという女性に出会い結婚し、子供を設けている。
この子供こそがのちのヘルムート・ジモである。
第二次世界大戦中にハインリッヒ・ジモは殺人光線の開発を行い、多くの人々を殺戮した。
ニック・フューリーが所属するハウリング・コマンドーズとの戦いに敗れたジモは自国からも嫌われ、彼は自分の正体を隠すために「紫色の頭巾」をかぶり始めた。
しかし、キャプテン・アメリカとの戦いの中で自身が開発した強力な「接着剤X」を頭から浴びてしまい頭巾が顔から剥がせなくなってしまった…
ジモはこのことが原因でキャプテン・アメリカを酷く恨み、幾度となく戦いを挑み「復讐の機会」を狙うこととなる。
・キャプテン・アメリカへの復讐
1945年、ジモはレッドスカルからの命令でイギリス海峡から爆弾を搭載した実験中の飛行機を発射しようとした。
キャプテン・アメリカと相棒のバッキー・バーンズはこのジモの計画を阻止しようとしたが、キャプテンは飛行機から振り落とされて北大西洋の海に落下し氷漬けとなった。
またバッキーはジモによって飛行機を爆発させられ、左腕を失いキャプテンと同じく北大西洋の海に落下した。
ジモはついにキャプテン・アメリカに対し復讐を成し遂げたのだった。
その後第二次世界大戦が終わるとジモは、南アメリカに身を隠した。
・アベンジャーズVSマスター・オブ・イービル
数十年後、南アメリカのジャングルで隠居生活をしていたジモだったが、アベンジャーズによってキャプテン・アメリカが北大西洋で発見されたという情報を知り激昂した。
ジモはすぐにアベンジャーズに対抗するためにヴィランチーム「マスター・オブ・イービル」を設立する。
当初のメンバーは、ジモ、ブラックナイト、メルター、ラジオアクティブマンの4人で構成された。
しかし、初戦でアベンジャーズに敗北してしまう。
・キャプテン・アメリカとのラストバトル!
その後、ジモはソーの宿敵であるエンチャントレスとエクスキューショナーと手を組み、アベンジャーズとキャプテン・アメリカを分断させた。
ジモは一人になったキャプテン・アメリカとアマゾンで戦うも最終的に駆けつけたアベンジャーズに敗北する。
その後、ジモはサイモン・ウィリアムズを実験体にしワンダーマンという超人を作り出しアベンジャーズを襲わせるが、ワンダーマンはジモを裏切る。
新たにメンバーを入れ替えたマスター・オブ・イービルを引き連れ、キャプテン・アメリカと最後の戦いに挑んだジモは、自ら開発した「ディスインテグレーター(分解光線)銃」でキャプテンを撃とうとする。
しかし、キャプテンのシールドに反射した太陽の光で目が眩み、岩山を間違って銃で撃ってしまい岩の下敷きになって死んでしまう…
ハインリッヒ・ジモのキャプテンへの復讐は息子のヘルムート・ジモに引き継がれることとなる!
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■2代目:バロン・ジモ(ヘルムート・ジモ)を解説
ハインリッヒの息子であり、現在もコミックスで活躍している2代目バロン・ジモである「ヘルムート・ジモ」について解説します。
マーベル・シネマティック・ユニバース(以下MCU)に登場するヘルムート・ジモ(バロン・ジモ)も同名ですので、おそらくこのキャラクターが元になっていると思われます。
現在Disney+で配信中のドラマ『ファルコン&ウィンターソルジャー』にも登場します!
【初登場】
Captain America#168(1973年12月)
初登場は、1973年の『キャプテン・アメリカ』168巻ですが、バロン・ジモを名乗ったのは9年後に発売された275巻です。
【本名】
本名:ヘルムート・ジモ(ジモ一族の13代目)
初期のヴィラン名は「フェニックス」だったが、父親と同じく紫の頭巾をかぶってからは「バロン・ジモ」を名乗った。
【身体情報】
- 性別:男
- 瞳:青
- 身長:178cm
- 体重:83kg
- 髪色:ブロンド(事故後は溶けてほとんどない)
【ステータス/強さ】
- 耐久性:2
- エネルギー:1
- ファイティングスキル:5
- 知能:4
- 速度:2
- 力:2
- ※MAX 7 での評価(米marvel公式HPより)
【能力】
父ハインリッヒと同じく武術と剣術に秀でており、戦略的で戦術の天才です。
しかし、科学者としての知識は父にやや劣ります。
また、父の発明した「接着剤X」を組み込んだ武器やトラップを使用しますが…この接着剤Xによって彼も…
・身体能力
身体能力は鍛えた人間レベル。
戦闘スキルは亡くなった父を上回っている。
・長寿
父と同じく特殊な「コンパウンドX血清」というもので老化を抑制している。
・剣術マスター
「レイピア」「中世のブロードソード」を使い、驚異的なスキルを持つワールドクラスの剣士。
また、ジモが創設したヴィランによるヒーローチーム「サンダーボルツ」でシチズンVというヒーロー名で活躍していた際は「アダマンチウムの剣」を振るった。
・戦術/科学の天才
ヘルムートは戦術の天才であり、優れたプランナーおよびオーガナイザーでもあります。
また、たくさんの科学発明品を開発していますが、彼の父親のレベルには及びませんでした。
父の発明品「接着剤X」を使用した兵器も使う。
また父同様に金色のヘッドバンドの効果でテレパシー攻撃は無効化される。
【ストーリー:原作コミックス】
ヘルムート・ジモ(バロン・ジモ)のコミックスでの主なストーリーを解説します。
・オリジン
キャプテンアメリカの因縁の敵であったハインリッヒ・ジモの息子として生まれた「ヘルムート・ジモ」はバロン家13代目男爵として「バロン・ジモ」の名前を受け継いだ。
キャプテン・アメリカとの戦いで死亡した(結果自分のうった銃せいで死亡したのだが…)父親の仇を打つためにヘルムート・ジモは「フェニックス」という名を名乗りキャプテンに復讐を図った。
ヘルムート・ジモはキャプテンを罠にはめて拘束し、父親が開発した「接着剤X」で殺害しようと計画するもキャプテンを救出にきたファルコンによってあえなく計画は失敗する。
拘束から解き放たれたキャプテンに襲いかかるもキャプテンのシールドスローの攻撃を受け「接着剤X」で満たされたタンクの中に落下…
ヘルムートは死亡したかに思われたが、タンクの配管を通じて脱出し生きていた。
しかし、その顔は「接着剤X」の影響で酷くただれてしまい(悲しくも父親と全く同じ運命に…)ヘルムートは父と同じく「紫の頭巾」をかぶり素顔を隠した。
ヘルムートは名前を「フェニックス」から父と同じ「バロン・ジモ」に改名しキャプテン・アメリカに復讐するためアーニム・ゾラと手を組んだが、再びキャプテンに敗北する。
・「サンダーボルツ」結成
その後はレッドスカルの元で活動するも、レッドスカルに騙されレッドスカルの娘マザー・スペリオル(のちにシンを名乗る)によって精神攻撃を受けて殺されかける。
しかし、父もつけていた精神攻撃を防ぐことができる「金色のヘッドバンド」のおかげで生き延びた。
レッドスカルの裏切りによって、他人を信用しなくなったジモは父が生前に作ったヴィランチーム「マスター・オブ・イービル」を再編する。
新たに編成された「マスター・オブ・イービル」はアベンジャーズを襲い大打撃を与えたが、結果的にキャプテン・アメリカによってジモは倒される。
その後、ジモはバトロック・ザ・リーパーなどと協力して死んだ父親を生き返らせるために「ブラッドストーン」という秘宝を集めるが失敗。
その後に大型イベントである「オンスロート事件」が発生。
※「オンスロート事件」に関してはこちらで解説:
スーパーヴィラン「オンスロート」との戦いの結果多くのスーパーヒーローたちが消えてしまう。
地球最強のスーパーヒーローが数多く消えてしまったこのタイミングを機と見たジモは、世間が新しいヒーローチームの誕生を歓迎すると思い「マスター・オブ・イービル」を改名しヴィランによるヒーローチーム「サンダーボルツ」を結成する。
ちなみに「サンダーボルツ」とは”限られたものだけを破滅させる稲妻のような存在“という意味が込められている。
サンダーボルツのメンバーはヴィランであるがそれぞれが新しいヒーロー名で活躍した。
バロン・ジモもかつて父親が殺したヒーロー「シチズンV」の名前を名乗り新しいコスチュームに身を纏いヒーローとして活動する。
サンダーボルツは初めての事件でラット・パックという略奪集団を撃退し世界から称賛された。
その後も数々の事件を解決し新たなヒーローチームとして世間に認知されてきたが、あるタイミングで消えていたヒーローたちが復活、アベンジャーズやファンタスティック・フォーなどが再び地球に戻ってきた。
さらにチームのメンバーがヴィランであるという情報が漏洩し、ジモは再び「サンダーボルツ」をヴィランチーム「マスター・オブ・イービル」へ戻そうとするが、すでにチームのメンバーは真のヒーローとしての魅力に目覚めてしまっておりジモの提案に抵抗し内部崩壊する。
ジモはサンダーボルツのメンバーに倒され、自らが作り出したチームから除名されてしまう。
・死と復活
サンダーボルツを追い出されたジモはしばらく世間から姿を消し潜伏していた。
しかし、スカージと呼ばれるヴィランハンターに標的にされてしまう。
スカージとの戦いで瀕死の重傷をおったジモであったが、相棒のテクノによってシチズンVを名乗っていたジョン・ワトキンスⅢ世の体に意識を転送され復活した。
さらにカウンターアースというもう一つの地球を訪れた際に、その地球での自分であるアイアンクロスを自分の体に取り込んだ。
復活したジモは接着剤Xによって負った顔の爛れも治ったが、その後ムーンストーンとの戦いで再び顔に傷を負ってしまう…
・その後
その後は、過去へのタイムトラベル(歴代のバロン・ジモと交流した)や新生キャプテン・アメリカとなったバッキー・バーンズと戦ったりと悪の道を突き進んだ。
イベント「シークレット・エンパイア」においてはコビック(コズミックキューブの欠片が意思を持った人間の少女)が現実改変した世界でキャプテンアメリカと親友になった。
(詳しくはシークレット・エンパイア1、シークレット・エンパイア2参照)。
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